昨今の改定では、「薬価を引き下げ、その財源を診療報酬本体(人件費や技術料)
の引き上げに回す」という構造が続いている。
日本の医療システムにどのような歪みを生んでいるのか?
1. 創薬力の低下と「ドラッグ・ロス」の深刻化
製薬会社にとって、日本は「新薬を出してもすぐに価格を下げられる市場」という認識が強くなっている。
• 投資の海外流出: 開発に数百億〜数千億円かかる新薬の投資回収が困難であり、
外資系・内資系問わず、新薬開発の優先順位を日本から外国へシフト。
• ドラッグ・ロス: 海外で承認されているのに、
日本では「そもそも申請すらされない」薬が増えている。
かつては「ラグ」が問題でしたが、今は「ロス」が深刻である。
2. 医薬品の「安定供給」への打撃
薬価引き下げは、特許の切れた安価な薬(不採算品やジェネリック)
にもおよんでいる。
• 不採算による撤退: 製造コストが上昇する一方で薬価が下がり続けるため、
メーカーは製造を維持できず供給停止になるケースが増えているのではないか?
• 医療現場の混乱: 現在、咳止めや解熱剤、抗菌薬などの不足が常態化しており、
医師が「処方したい薬があるのに手に入らない」
という本末転倒な事態が起きている。
3. 診療報酬「本体」への振替というジレンマ
つまり、物価高騰に対応するための医療従事者の賃上げ原資を、
薬価の削減分で賄おうとしている。
• 医療現場の維持 vs 治療手段の喪失:
病院の経営を支えるために、武器である「薬」の将来性を削っている状態。
医療機関の経営は改善しても、提供できる治療ができなくなる。
4. 日本市場の魅力喪失(市場の地盤沈下)
日本の薬価制度には、市場拡大再算定(売れたら下げる)
や毎年改定などの仕組みで、予見可能性が低い。
• グローバル企業からの敬遠: 「日本で一番に発売するメリットがない」
と判断されることで、最新のゲノム医療や再生医療の導入が
他国より数年単位で遅れるリスクが高まるのではないか?
つまり、一言で言えば
「目先の医療経営を守るために、日本の医療の未来(創薬・供給インフラ)を切り崩している」のが現状ではないか?
こういったことが周囲で多く起きている。
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